こんにちは、えみりです!現在秋休み。ギリシャに来ています!
去年履修した人文学の授業(Humanities Sequence)の一環で、生徒と教授15人でギリシャを巡っている最中です。今日でちょうど開始6日目ですが、デルフィ、ナフプリオを辿り、アテネに到着しました。超ハードスケジュールですが、学びの多い旅です。
まだ明日の個人研究デイを含め数日残っていますが、ここまでで気づいたことや考えたことを忘れてしまう前にちょっとした記事にまとめておこうと思います〜(とても雑な記事になると思いますが、ご了承ください。)
古典ギリシャ語と現代ギリシャ語は全然違う!:
教授はアリストテレスの専門家ですが、そんな彼でも現地で通用する言葉はほとんどないだとか。この夏休み古典ギリシャ語の勉強をしていた友達によると、ほとんど街中では通じないようです。そんな彼らがギリシャ語の奥深さについて語るのを聞くことのできるのも、この旅の楽しみの一つです。
文学と照らし合わせて歩くギリシャ:
古典文学の授業をとったメンバーと教授でギリシャを旅できるのは何よりも面白く、ガイドさんも説明を細部まで掘り下げてくれるのでとても興味深いです。アクロポリスを登った時は、あの道がプラトンの国家の導入部分のパッセージで彼が歩きながら語っていた道だよ、とか。アエスキュロスの悲劇オレステイアを実際に初演されたディオニューソス劇場に座りながら、ステージングについて話し合ったり。また、この授業をとってから、発掘された陶器類や石像の見方が変わりました。(先ほど国立考古学博物館から帰ってきだばかりなので、まだ興奮が覚めていない状態です笑。)
”世界の中心”だったデルフィのアポロン神殿:
紀元前1400年にも遡る聖地。古代ギリシャ時代、世界の中心とされ、ギリシャ各地から神のお告げを聞きにデルフィを訪れる人で栄えていました。ヘロドトスの歴史などにも、ペルシャ軍の侵略に対して逃げるべきか攻めるべきかOracleに聞きに来るスパルタやアテネの権力者が出てきます。アドバイスはいつも解釈が難しい上に、Oracleは年に6回(?)しか答えてくれないので、大掛かりなイベントだったとか。Oracleのおかげで勝利を勝ち取った都市は、権力と財力を見せびらかすかのように、数多くの銅像をこの聖地の入り口に並べあったそうです。
フランスの考古学者シュリーマンがいかに雑だったか:
ミケーネの城跡を発掘するにあたって見つけた墓をアガメムノンのものと信じ、猛スピードで発掘していったシュリーマンですが、目当ての時代の遺品に集中しすぎてそれ以降の時代の遺跡が眠っていた上の層を剥いでしまったのが懸念されています。もちろん、考古学の学問も新しく生まれたばかりだったので、その分野を先駆けて、私たちの古代ギリシャへの理解に大きく貢献した考古学者として教科書などでは讃えられていますが、現代の考古学者の目線からするととても勿体無い発掘方法だったそうです。
パルテノン神殿をどこまで修復するべきか?:
アテネの象徴であるパルテノン神殿ですが、ギリシャの様々な時代を経験した遺跡でもあります。フランク時代は、パルテノン神殿の真横に住居が並んでいたとか。オスマン帝国時代から独立後のオットー王の時代には、アクロポリスの真上に新しい宮殿を建てようという提案もあったようです。結局は現在の国会議事堂として使われている建物を建てたようですが、もしパルテノン神殿の真横に宮殿が建てられたらまったく違う光景が広がっていたでしょう。一時火薬庫として使われた神殿は、外部からの攻撃を受け、中心部分が完全に爆破されてしまいました。修復が旅重ねて行われてきたパルテノン神殿ですが、最も目につくのはイギリスとの歴史。数多くの石像や神殿の一部がイギリスによって”盗まれ”、今はロンドンの博物館に堂々と展示されています。神殿の”盗まれた”部分については、レプリカで代替せず、返還されるまで白い無地の大理石が飾られています。
この6日間で、修復についてたくさん考えさせられました。新しい大理石と発掘された材料が継ぎ接ぎで修復されている遺跡が多く見られますが、アポロン神殿などでは、当時の材料を30%以上残してでないと修復してはいけない、という考え方に基づいて工事が進められていたそうです。地下に眠る古代ギリシャ時代の遺跡の上にローマ帝国が新たに街や市場を建てていたり、キリスト教の協会として建てられた建物がイスラム教のモスクに建て替えられ、その後二度三度と協会、モスク、協会、モスクに変身していたり。
最も最近発見された形で保存するのが果たして正解なのか?
教授とは今でも壊れた部分が新しい材料で瞬時に修理されている中国の万里の長城と照らし合わせて議論しました。
まだまだ書きたいことはたくさんありますが、だいぶ長くなってしまったので、また旅が終わるころに第2弾を投稿したいと思います!それではまた。
えみり
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