皆さん、こんにちは。えみりです!私はこの夏休み、フィリピンの首都マニラにあるソーシャルビジネスでインターンをしています!実際に何をしにフィリピンに来ているのか?フィールドで撮った写真と共にお届けしようと思います〜

まず、ソーシャルビジネスとは?
簡単に説明すると、社会問題を解決するために立ち上げられたビジネスのことです。
NPO(非営利団体)との一番大きな違いは寄付金などに頼らず、自らが事業収益が上げながら継続的に問題解決を進めている点で、社会的なインパクトを残すことを目的としながらも、いわゆる「ボランティア活動」ではなく、利益を生み出すビジネスモデルがコアにあります。
私はこのソーシャルビジネスという、NPOとビジネスの間にある働き方の現場を見たいと思い、この夏インターンをすることにしました。
フィリピンの電力事情
私がお世話になっているところは、フィリピンのエネルギー貧困を太陽光発電商品の導入で解決する会社。
ではなぜエネルギーにこだわるのか?

現在、フィリピンの電力の届いていない地域では、ランプや電池の購入コストで都市部の4000倍ものお金がかかっているらしいのです。
その上、電気がないと学校に通えても、暗くて帰宅後に勉強ができなかったり。暗くなると同時にサリサリストア(コンビニ)の営業ができなくなったり。停電時に携帯やラジオが充電できず、情報源が確保できなかったり。猛暑の中、扇風機が使えなかったり…
生活コストの負担に加え、教育や仕事の効率を上げることができず、いつまでも貧困の悪循環から抜け出せない状態が続いています。
そんな状況を改善しようと、以前、世界銀行などがソーラーエネルギーの導入プロジェクトとして大量な太陽光発電商品を寄付したらしいのですが、バッテリーの交換ができない消耗品や質の悪い壊れやすいものばかりだった上、利用者に対する使い方やメインテナンスのトレーニングがなされておらず、大失敗に終わってしまいました。
そこで、このソーシャルビジネスは地域の技術者やマイクロファイナンス銀行と協力をし、持続可能なインパクトを残すことにこだわっています。電気代の節約と仕事効率のUPで貧困地域の人々に一番利益が残る仕組みになっています。
では実際に何をやっているのか?
「地域の人々と協力」が実際に何を意味しているのか、私も実際にフィールドに出るまで仕組みがなかなか理解ができなかったのですが、主な手順としては:
まず、現地スタッフがマイクロファイナンス銀行主催のセンターミーティングで住宅用の太陽光発電ランプや家電製品をピッチします。

*マイクロファイナンスとは、地域の女性が集まってローンやパーソナルファイナンスについて学び、農業や教育費のために数万円程度の小さいローンを組めるようになるプログラムのこと。毎週の集会で数百円ずつ返済することで、負担も少なく大きな出費に備えることができるシステムです。そこにこのソーシャルビジネスのスタッフがお邪魔します。
その後、数回の訪問を経て購入のための手続きや商品の取り扱い方法などのサポートを行い、デリバリーまで行います。
一人のスタッフが、アクセスの不便な農村地域で十数カ所のグループを担当しており、かなり体力を使う仕事です。私も何度か参加させてもらったのですが、とにかく暑くて大変でした。
インターンの仕事内容は?
私はデータ分析関連のタスクが欲しいと上司にお願いし、フィールドで商品のピッチをしているスタッフが、Data driven decisionを実現できるツールを作って欲しいとの仕事を任されました。

解決する問題としては、例えば、スタッフがマイクロファイナンス銀行とコミュニケーションが上手く取れていないため、効率よくミーティングを回れていなかったり。ある女性が商品に興味を持っても、旦那さんに許可を得るために保留状態になってしまい、フォローアップができていなかったり。ローンのサイクルが終わる前にピッチをしてしまい、無駄な労力を使ってしまったり。
こういった様々な問題を数値化し、現状を把握、最終的には現場スタッフが自らの力で問題を解決できるようにサポートをするという役割の仕事です。
フィールドから送られてくるハードコピーのデータを分析し、オペレーションチームにアイデアをピッチしたり、現場で簡単に使えるツールをデザインしたりしています。また、ビジネスのスケールアップに応じてより効率の良いデータベースの導入が必要ということで、SQLを勉強してみたり、様々なDBMSソフトウェアを試したりもしています。
発展途上国でのソーシャルビジネスの課題
インターンも4週目に入り、いくつかソーシャルビジネスの特徴が見えてきました。
まず、データ収集がどうしてもハードコピーになってしまい、効率が悪い!これは仕方がない点なのですが、おかげで毎日かなり苦労しています。
また、現場では言語の壁で新しいツールの導入する際の説明が難しかったり、セールズのトレーニング中にスタッフに簡単な計算スキルが不足していることに気づいたり。できる限りわかりやすいツールを作り、噛み砕いて説明したマニュアルも添え、直接会ってトレーニングを行います。とにかく時間と体力の消費が激しい仕事で、オフィスでも現場でも人手不足が目立ちます。
ポジティブな発見もたくさん!
まず1日目から感じたことは、マニラのヘッドオフィスでも現場でも、様々なレベルでのスタッフの素晴らしいリーダーシップのおかげでビジネスが回っていると言うこと。直接の上司もCEOもプリンストンの卒業生なのですが、とても生き生きと働いていらっしゃる先輩方で、フィリピン人の社員たちも一緒に働くのが楽しい人ばかりです。

また、現場で出会った人の言葉でとても印象的だったのは、「フィリピン人は何があっても楽しむことを忘れないのが誇り!」という言葉。大雨や洪水に遭っても、テレビカメラの取材には笑顔で応じ、洪水で溜まった水で泳いでしまうほど遊び心満載な国民性(笑)。フィールドで会う人々は、正直「貧困に苦しむ人たち」というレッテルが全く似合わない、生き生きとした女性ばかりです。
オフィスも冗談が常に飛び交う明るい環境で、何事も楽しむ意気込みがフィリピンらしいなという印象です。
また、面白いことに、姉妹NPOとオフィスを共有しているため、NPOとソーシャルビジネスの仕事内容や日々のペースの違いを観察することもでき、勉強になっています。

もちろん週末には国内を旅行し、フィリピンを満喫しています。

将来やりたいことの軸を見つけるのに、有意義な夏になりそうです。

それでは!
えみり
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